対象疾患
- 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)
- うっ血性心不全
- 不整脈
- 心臓弁膜疾患
- 心筋疾患
- 高血圧症
- 先天性心疾患
- 大動脈疾患
- 末梢血管疾患など
特色
当科はいわき市のみならず浜通り地区の循環器疾患の患者に対し外来診療、入院診療、救急診療、産業保健を通して近隣の医療機関と連携を密にして対応しております。
地域の医師減少傾向の中で常勤医6人体制が維持できておりますので、これからも常時24時間緊急オンコール体制で急性心筋梗塞などの救急医療に積極的な対応を行って参ります。
64列CTによる冠動脈の評価も軌道に乗り心臓超音波検査、負荷・24時間ホルター心電図、心臓核医学、心臓カテーテル検査治療(橈骨動脈穿刺)などにより今後も患者さんの低侵襲検査・治療に努めて参ります。今後も地域の診療所・病院との連携を強化し地域医療の更なる充実に努力する所存です。
高齢化の進むいわき市で当院は地域支援病院として合併症(認知症、呼吸器疾患、腎疾患、運動器障害など)を伴った高齢の循環器疾患患者さんの診療依頼が増えつつあり、その対応は益々重要となっております。患者さんを中心に看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線科技師、栄養士、理学療法士、作業療法士、心理判定員、MSW(medical social worker)、医療事務職員とともにチーム医療の重要性を推進しております。電子カルテが導入され業務の効率が飛躍的に向上し大きな力になっております。
循環器診療には心臓血管外科との連携が欠かせませんが幸い近隣のいわき市立総合磐城共立病院と病病連携して対応しております。また業務・勤務形態の複雑化や経済事情の変化による勤労者の方々のストレスの増大、健康障害に対して産業医活動、健康相談を通して対応しております。
更にこれからの医療を支える人材の育成のため福島県立医科大学と連携し心電図合宿セミナーなどを開催し教育・実習・交流に取り組んでおります。当科は循環器疾患を診療しておりますが初診・再診の患者さんにおいて院内他科と連携し幅広い対応に努めております。
他の医療機関との連携
要精査の患者さん、急性期(重症、不安定)の患者さんを受け入れ当科で治療し、病状が軽快、安定後に地域のかかりつけの先生方に退院後の外来経過観察加療を依頼しております。その際には緊密な他の医療機関との連携が必要となります。
当科では症状変化の際に常時24時間オンコール体制で対応しております。 いわき市病院協議会救急委員会に参加し救急隊員との検討会、市民フォーラムの企画などに積極的に参加しています。
かかりつけの先生方と連携し冠動脈形成術後、ステント留置術後の薬物治療、特に最狭窄の著明な減少をもたらした薬剤溶出ステントによる遅発性ステント血栓症の予防のため抗血小板薬の外来管理をお願いし更に半年後に心臓カテーテル検査にてステント留置部の冠動脈を評価しております。かかりつけの先生方では困難なペースメーカー管理なども当科(ペースメーカー専門外来)で管理しております。特に糖尿病を有する患者さんについては心動脈硬化の進行による血管疾患発症のリスクが高いため市内の糖尿病専門医と連携し1泊2日の教育入院で対応しております。
現在、心筋梗塞の急性期を乗り切った患者さんが慢性心不全を発症する数が増えていると報告されており慢性心不全の予防がますます重要になっております。種々の薬剤が大規模調査から心不全に対する有効性が確認されています。かかりつけ医の先生方と連携を密にして慢性心不全の発症が危惧される患者さんを対象に非侵襲検査としての心エコー、心臓核医学、造影CTを活用し病態把握に努め診療のための情報をお伝えしております。更に心不全に対する非薬物療法としてCRT(心臓再同期療法)の適応患者さんについては福島県立医科大学循環器・血液内科学講座と連携し対応致します。心電図健診にて要精密検査と判定された方々についての二次健診に今後も積極的に取り組んで参ります。
認定・研究内容
施設認定資格
- 日本循環器学会指定循環器研修施設
- 日本内科学会関連施設
個人認定資格
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会認定医
- 日本内科学会指導医
- 日本循環器学会専門医
- 日本核医学会専門医
- 日本核医学会PET認定医
- 労働衛生コンサルタント(保健衛生)
- 日本職業災害医学会(労災協力医)
- 日本医師会認定産業医
- 日本心臓リハビリテーション学会
症例報告、臨床研究について学会、研究会に発表し地域で臨床研究フォーラムを開催し、国内学会、研究会に積極的に参加しております。ガイドラインに基づいた診断治療に努め各自、最先端の循環器疾患の診断、治療の習得に日々研鑽を積んでおります。毎週シネカンファランス、症例検討会を開催し院長先生による指導、助言を頂きながら活発な討論を行い診断治療に効果を上げています。初期・後期研修を希望される先生方については当科の研修を通して救急を含め循環器疾患患者さんの幅広い対応が可能となり急性期~慢性期の病態を把握する臨床力を身に付けられるものと確信致します。